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実践編!健康経営を目指す企業のための禁煙/受動喫煙対策実施マニュアル

2018/12/12

株式会社シーピーユー
健康プラス編集部 健康プラス編集部

禁煙対策/受動喫煙対策の必要性を頭では理解していても、具体的に何をすれば良いのか分からないという企業の声も多く聞こえてきます。そこで今回は具体的な実施方法や手順をご紹介します。

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禁煙対策/受動喫煙対策の実施手順

日本国内における禁煙対策に関する取り組みの歴史や、企業の健康経営における禁煙対策のメリットは前回の記事でご紹介した通りです。しかし、実際に取り組もうと思っても、何から始めれば良いのか、どうすれば良いのか分からないという理由で先延ばしにしている企業も多いではないでしょうか?

そこでまずは、実際に禁煙/受動喫煙対策に取り組む手順をご紹介します。


STEP1 現状の把握


まずは健康診断データや従業員調査を通して、社内の喫煙状況を把握します。


・経営層の喫煙率

・部署別喫煙率

・役職別喫煙率

・男女別喫煙率


次に、自社の喫煙率が全国平均と比較して高いか低いかも認識をしておきましょう。



参考)全国の成人喫煙率(2018年)


男性27.8% 女性8.7%

参考)http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html



このほか、各健康保険組合が独自に喫煙率のデータを公表している場合もあるため、加盟している健保の情報を確認し、自社の状況を客観的に把握する方法もあります。


STEP2 体制づくりと目標設定


プロジェクトのリーダーシップは健康経営担当者がとることが多いですが、健保などの協力も得ながら社内の体制を作ります。その上で、会社の現状に合わせた目標設定をすることが重要です。

禁煙は1年程度ですぐに実現できるものではなく3~4年ほどの期間で段階を経て実施している企業の方が多いです。自社の社員数も踏まえつつ毎年の施策を企画し、年間数%減らすといった目標やKPIを立てましょう。


STEP3 従業員への情報提供


喫煙する従業員の反発をできるだけ減らし、喫煙対策を円滑に進めるために、事前に喫煙対策や禁煙の必要性を啓発しておきます。

喫煙対策の内容や開始する時期なども、必ず事前に周知しておくことが大切です。



情報提供の主な方法


・専門家を呼んだ講習会(健保や地方自治体でも様々な講習が実施されています)

・ポスターの掲示

・社内報の活用

・健康診断個人票に禁煙干渉のコメント

・産業医からの直接指導

・リーフレット配布




STEP4 受動喫煙対策や禁煙施策の実施


厚生労働省のガイドラインでは、受動喫煙対策として「一定の要件を満たす喫煙室」「建物内禁煙」「敷地内禁煙」の3つが推奨されています。また「就業時間中の喫煙禁止」や「敷地内全面禁煙」などの取り組みを同時に検討することも重要です。

禁煙施策に関しては、個別にアイデアが必要になります。



取り組みの一例


●禁煙の雰囲気づくり

禁煙の日(毎月22日)を利用して、喫煙・受動喫煙の害についての情報共有を行う。


●タバコが吸えない環境づくり

敷地内禁煙を徹底したり、就業時間における喫煙に対して罰則を設ける。


●サポーター制度

禁煙挑戦者一人に、数人の仲間がついてサポーターとして応援。仲間同士で、共通の目的を達成しようという連携が高まる。


●上長からの働きかけ

上長が禁煙に高い関心を持つことが前提になりますが、禁煙させたい部下へ声掛けをすることにより職場の風土作りやコミュニケーションの活性化に繋がります。業務の指導とは違い、あくまでも“支援”のような接し方が重要です。


●禁煙実施者へのインセンティブや補助

市販薬の禁煙補助剤や保険適用の外来治療があることを喫煙者に周知し、会社からの補助を設定します。例えば、数日分の禁煙補助剤を支給したり、禁煙外来受診費用の一部を負担する企業が増えています。


●禁煙成功者への表彰

職場で禁煙宣言をする人を募り、その道のりをイントラなどで公表しながら、成功したら全社(部署内)で表彰します。例えば、ペアやチームでエントリーをしてもらい、成功に対するインセンティブを設けることなどにより成功率が高まります。



STEP5 評価


喫煙対策を講じてから一定の期間が経過した後に、評価を行い、必要に応じて計画の見直しをすることも重要です。

なお、評価の時期、評価する項目、計画の見直しについては、喫煙対策の計画自体にあらかじめ盛り込み、詳細を決めておくことも大切です。


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健康経営担当者のホンネと解決策

企業の健康経営担当者から、受動喫煙対策や禁煙対策に関する課題をヒアリングすると、下記のような回答が返ってきます。


・「経営層に喫煙者が多く、喫煙対策が進まない」

・「工場など特定の場所で喫煙率が高く、いきなりの禁煙は批判が出る」

・「従業員同士のタバコはコミュニケーションの一部だという反対意見が出る」

・「禁煙に対する効果が見えづらく、他の施策を優先してしまう」

・「喫煙室の設置等、資金面が追いつかない」

・「改善のイメージがつかめず具体化しない」

・「改善作業中の操業に支障がある」

・「オフィス棟に入っており自社だけだと解決できない」


これらを見ると、受動喫煙対策/禁煙対策を会社内で進めるためには


・経営者の合意

・体制強化

・周囲環境(他社)との調整

・従業員への周知と理解


がプロジェクト成功に欠かせないということが分かります。

もし経営者への合意や従業員への周知が必要な場合は、ファイザー製薬が提供する「職場の喫煙対策」内で、無料でダウンロードできるマニュアルが提供されていますので参考にしてみてください。

https://sugu-kinen.jp/office-kinen/materials/booklet.html


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健康経営優良法人の認定に向けて

健康経営優良法人の現行認定基準は「健康宣言の社内外への発信」など5項目が必須、「受動喫煙対策」など15項目は選択項目とされていますが、2019年度より受動喫煙対策は必須に格上げされ、さらに全面禁煙または完全分煙が全事業者対象の認定要件となります。

健康経営優良法人認定制度においては、優良法人として認定するからには「法律より一歩進んだ基準にするべき」との考えから、健康増進法より厳しい基準を設け、認定基準を改訂に踏み切ったわけですが、この流れはこれからも進むとみられています。


個人の趣味嗜好としての「喫煙」と、会社の従業員の健康促進という「健康経営」、この2つのせめぎ合いの中で、なかなか対策に乗り出せない企業も多いことでしょう。しかし喫煙は受動喫煙の観点でも、明らかに健康を害する大きな要因の一つになっています。経営者の固い意思と体制の強化によって、各企業が取り組み強化していくことが期待されます。



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