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株式会社新日本科学 健康経営インタビュー

2017/09/25

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健康経営を始めたキッカケ

株式会社新日本科学(SNBL)は、1957年に我が国初の医薬品開発の受託研究機関として鹿児島に誕生し、現在では新薬開発の基礎研究、前臨床分野に加えて、臨床薬理試験、薬物動態・分析、臨床試験、SMOといった分野でも事業展開を行う、前臨床試験受託の最大手企業である。


 


今回は、「創薬と医療技術の向上を支援し、人類を苦痛から解放する事」をミッションとする新日本科学の総務人事統括部 朝隈様と総務人事統括部保健健康増進課 松藤様に、健康経営優良法人2017(ホワイト500)認定につながった自社の健康活動についてお話を伺った。


 


-まず、どのような経緯で健康のお取り組みをはじめられたのですか?


朝隈様:当社では企業理念を「環境、生命、人材を大切にする会社であり続ける」と定めており、その中の人材を大切にする、という言葉を形にしたものが現在の健康施策や制度になります。


松藤様:当社の社長は医師でもあり、もともと健康に関しては深い理解がありました。
当社では実験動物がいる事や医療機関へ出入りする業務が多い事もあり、特に感染症予防は重要であり、社員の健康意識の向上が大切な課題になります。


私は保健師として11年前に入社し、健康診断結果のデータ集計、統計処理などを通して現状を分析した上で、健康課題を明確にして、社員の健康管理体制の整備を進めてまいりました。


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新日本科学 健康経営スタート

-施策としては何から始めたのですか?


松藤様:2008年に保健健康増進課を設立してから、2009年に始めた「禁煙プロジェクト」が大きなきっかけになったと感じています。
新設された部署であり、新しい取り組みを進めていくのに苦心していましたが、この施策は社長自ら発信したことで、会社として社員の疾病予防や健康維持・向上を支援しているということが明確になったと思います。


朝隈様:現在はホワイト500の取得もあり、徐々に健康の重要性や保健健康増進課の役割も社内に浸透してきたと感じています。
そして医療に関わる仕事という観点からも、様々な取り組みを行いヘルスリテラシーが高い社員の育成に取り組んでいます。


自分の健康は自分で管理。 それが目指すべき目標


医療という、健康と密接に関わる業界の企業である新日本科学。どのような取り組みをされているか非常に気になるところだ。 現在の取り組み、そして新日本科学独自の取り組みについてお話を伺った。


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健康経営推進の今

-現在はどのような取り組みをされているのですか?


松藤様:いまでは生活習慣病予防対策、ガン予防対策、メンタル不調者に対する早期面談など、フィジカルからメンタルまで様々な施策を行っています。
当社ではこのような施策を行うにあたり、体制づくりと制度設計を行うことで、社員の参加意識を高めるようにしています。


-体制や制度はどのようなものですか? 


松藤様:体制としては、当社では経営陣、産業医、保健師、人事労務管理担当者が一丸となって社員の健康保持・増進に努めています。役員や管理部門の監督者が集まる会議にて、健診結果に基づく分析結果やストレスチェック結果分析、感染症発生状況などの社員の健康状態や健康づくり事業の取り組み状況やその結果について、毎月報告しています。
また、年度末には健康づくりの手本となるような取り組みを行い、結果を出している社員をMVPとして選出・表彰し、その取り組み内容を全社に紹介することで、健康風土を社内に根付かせるようにしています。
制度としては、禁煙プロジェクトや健康づくり支援事業などの施策に対し、自ら積極的に行動変容に取組み、結果を出した社員を賞賛し、インセンティブが発生するようにしています。


-しっかりしていますね。ちなみに貴社ならでは、といったお取り組みはありますか?


朝隈様:当社の研究施設はGLP適合評価、AAALAC認証(注1)という信頼性における世界基準で最高評価を連続して受け続けています。
この基準は施設の安全面だけでなく、社員の労働安全面での評価も含まれています。
当社では、特に感染症の予防と対策は徹底しています。


松藤様:まず、感染症の流行時に注意喚起メールや予防対策指導メールによる啓蒙活動を実施します。
社員本人及び同居家族が感染症に罹患する事もありますので、必ず報告をいただき、勤務対応措置や業務に就く際の留意点について、当部門から連絡し、完治した場合も報告をもらうようにしています。
また、感染症発生状況報告、統計なども必要に応じて、1週ごと或いはシーズンごとに経営陣へも報告しています。


-なるほど。確かに徹底していますね


松藤様:このような情報をイントラで配信するのは、自ら健康を管理できるヘルスリテラシーが高い社員を育成したいという想いからです。
いまの世の中、健康に関する情報が溢れていますが、その中から正しい情報や自分自身に必要な情報を取捨選択できるようになってほしいと思っています。
そのような中、社内で健康づくりに関するリーダー、ウェルネスリーダーを育てたいという考えのもと、チャレンジ教室という施策を始めました。


 -面白そうな企画ですね!何にチャレンジする教室なのですか?


松藤様:生活習慣病予防・改善を目的にした3ヶ月のコースで、何kg痩せるなど参加表明したメンバー各自に健康宣言をしてもらいます。
ウォーキングや体幹トレーニングなどの運動指導や管理栄養士監修の弁当を食べながら食事管理を指導し、具体的な改善方法を体験する事で、各自の目標達成にチャレンジしてもらう施策です。
意欲を持って参加した方達なので、大抵の方は目標を達成します。
中には大幅な減量に成功した人もおり、医師からは少しやりすぎかも…と言われる程でした(笑)。 


—それはすごいですね…


松藤様:その社員の変容については、多くの社員から「痩せたよね」という気づきの声が多く聞かれた事から、健康施策の可視化や周りの社員のモチベーション向上へもつながり、取組んだ社員はもちろん周りの社員に対しても、良い効果を得られたと思っています。


100年企業を目指す。 そのために守るべきは人材


体制構築やよくある施策だけで満足せず、一般的なホワイト500の基準を大きく上回る取り組みを行っている新日本科学。企業として高い目標を目指す姿勢には感動を覚えるばかりだ。
ハイレベルな健康活動の成功の秘訣と今後の抱負を聞いてみた   松藤様:企業理念を真摯に遵守しようとする会社の姿勢と、社長が医師であり健康に対する理解が深いことが社員への浸透につながったと思います。 当社は今年60周年を迎えたのですが、さらに100年企業になる事を目指しており、そのためには、社員の健康が非常に大事と考えています。


人が心身ともに健康である状態で活躍し、創造性を発揮して働いてこそ、100年企業は実現するものだと考えており、今後も「人材を大切にする企業」であり続けたいと考えております。まだ社員の健康に対する取り組みは始まったばかりと感じていますが、今の取り組みがそのきっかけになればと思っています。


これからも健康活動によるコミュニケーションの活性化や、データに基づく健康づくり事業の評価の可視化や理解度向上に取り組み、ヘルスリテラシーの高い社員の育成に取組んでまいります。
また、健康経営に取り組まれている他の企業のご担当者様とも情報交換する機会があれば積極的にお会いし、社内外問わず心身ともに健康な状態で働く人が多くなっていけばよいと思っています。


注1:GLPとは、安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令に示された基準のこと。AAALAC認証とは、国際実験動物管理公認協会による、科学における動物の管理および使用について高い基準を設定、達成、そして維持していることの証し


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