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健康経営の重要テーマ『大塚製薬に学ぶ女性の健康推進』

2020/10/08

株式会社シーピーユー
健康プラス編集部 健康プラス編集部

健康経営の認定基準に盛り込まれるた「女性の健康」。この重要なテーマに真摯に向き合っている大塚製薬を取材してきました。女性の健康推進の施策を考えている企業にとって必見です!

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健康経営の認定にも組み入れられた「女性の健康」

健康プラスWebの読者には、なじみ深い言葉となっている「健康経営」


2019年度では、3000社以上の企業が認定取得している「健康経営優良法人」。
その中でも2018年度よりその認定基準に新たに追加されたものが「女性の健康」という項目です。


1)経営理念 2)組織体制 3)制度・施策実行 4)評価・改善 5)法令順守・リスクマネジメント


の5項目で審査が行われる健康経営の認定ですが、3)制度・施策実行の項目で『女性の健康保持・増進に向けた取り組み』が項目に入りました。


参考URL:http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html


女性特有の健康課題に対応する環境の整備や、従業員が女性特有の健康課題に関する知識を得るための取り組みを行っていることが選定要件とされました。


例えば、下記のような実施項目が評価対象


・婦人科検診/健診を受けやすい環境の整備
・従業員や保健師等による女性の健康専門の相談窓口の設置
・女性特有の健康課題に対応可能な体制構築(産業医や婦人科医の配置や外部医師の紹介)
・女性の健康づくりを推進する部署やプロジェクトチームの設置
・妊娠中の従業員に対する業務上の配慮(検診時間の確保、休憩時間の確保、通勤負担の緩和等)の社内規定への明文化
・生理休暇を取得しやすい環境の整備
・女性の健康課題等に関する理解促進のための研修・セミナーの実施


健康経営の認定基準に盛り込まれた後は、「女性の健康」は注目され、多くの企業が取り組みをスタートしているが、まだまだ、ほとんどの企業がスタートしたが、やりつくしてはいない状況です。


健康プラスWebで取材をする中でも、数多くの企業から下記の声を聞きます。


・やらないといけないのは分かっているが、自社だけでは対応しきれない。
・女性向けのヨガなど運動の取り組みはしているが、知識面含めて足りていない。
・経営層に女性がいないので、取り組み内容が理解されない。
・女性の健康に関しての専門家がおらず、充分な研修が出来ていない。
・女性活躍のキャリア支援に取り組んだばかりで、女性の健康までは手が回らない。


それもそのはず、企業が健康経営をスタートした頃に各企業が行ってきた取り組みの中心はメタボ対策などの主に男性が中心とされるものだったからです。


ただ、時代は変わってきました。
日々、女性活躍、女性躍進のニュースがにぎわう中、女性の健康に対する注目度は社内外から上がってきております。
そんな中、この「女性の健康」に真摯に向き合っている企業があります。


それが大塚製薬株式会社です。


今回は、大塚製薬 ニュートラシューティカルズ事業部 女性の健康推進プロジェクトの西山様にお話を伺いました。


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「女性の健康」に向き合う大塚製薬

『世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する』
Otsuka-people creating new products for better health worldwide
という企業理念の大塚製薬株式会社。


この言葉には、「自らの手で独創的な製品を創る 健康に役立つ 世界の人々に貢献する」という思いが込められていると言います。


皆様ご存知の通り、大塚製薬は様々な商品カテゴリで市場を切り開いてきました。
例えば、1980年発売のポカリスエット。1983年発売のカロリーメイト。2006年発売のSOYJOY。
今では、当たり前のようにコンビニエンスストアに並ぶこの商品も、発売当初は同様のカテゴリの商品は世の中に存在しませんでした。
まさに、企業理念にあるような「世界の人々の健康」に貢献することを考え続けた製薬会社ならではの革新性が歴史を作ってきました。


健康経営の流れの中、大塚製薬が今まさに注目をされている理由があります。
その理由は、「女性の健康推進」を会社の重要な施策として取り組んでいることももちろんあるのですが、大塚製薬の取り組みは、社内だけでは収まりません。
自社の女性の健康施策で得られた知見やノウハウを社外に、そして社会に還元をしているところにあります。


大塚製薬 女性の健康推進プロジェクトの西山様のお話によると


『女性活躍は、内閣府が掲げている“2030”に対して、急激に注目をされてきた分野です。
2030とは、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%とするという目標のことで大企業のみならず地方自治体・議会もこの目標を目指しているところがあります。ただ、国が掲げる目標に対して、企業内では壁があります。
ワークライフバランスを考え、管理職に上がる際に昇格を諦めるまたは諦めざるを得ない女性がいるという事実。
また、実際の昇格の時期が更年期に差し掛かり不安を持つ女性が多いという事実。
そして、働く女性の多くは、様々な健康課題に直面します。


 



 


月経や妊娠など、早い段階からご自身の生活や健康に向き合うことが必要であり、企業はそれをサポートしていく必要があると思います。
大塚製薬では、2014年に長年の大豆研究のもと、大豆由来のエクオール含有食品「エクエル」を発売しました。その商品開発の中で、特に女性ホルモンの減少で様々な心や身体の変化を伴う40代以降に着目をしたのが、「女性の健康」への向き合ったキッカケでした。
特に身体が変わってくる女性の40代でのケアは、その後のQOL(生活の質)および健康寿命の延伸に影響します。



ただ、女性へのアンケートをしてみると、意外と何をすれば良いかの情報を得ることが難しく、一人で悩みを抱えているケースが多いという実態にも直面しました。


そこで、大塚製薬では専門知識を有する専任スタッフを全国に配備して、女性の健康について「知って対処する」ことの重要性を伝達することを決めました。
専門スタッフが実際に様々な地域、時には企業様にご訪問し、「女性の健康」に対してのお話をさせていただいています。』


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健康経営と女性の健康促進

今回の取材を通して、健康プラス編集部も多くのことを学びました。


・「女性の身体の変化に対して、一人で悩んでいる方も多い」
・「男性は、女性の健康に携わることをタブー視してきた歴史がある」
・「働く女性の健康への正しき知識伝達は、本人と周囲の人々の将来へ多大な影響がある」
・「女性活躍推進は、女性の健康促進と密接な関係がある」
・「女性のワークライフバランスの追求は、組織にも好影響がある」
・「女性の健康促進は、会社全体で取り組まないといけない」
など。


それでは、健康経営の中で、「女性の健康推進」はどのように進めていくのが良いのでしょうか?
健康プラスでは、大塚製薬の取り組みをお伺いし、下記5か条にまとめてみました。


『大塚製薬から学ぶ女性の健康推進5条』


1)経営層への巻き込みが推進のポイント
2)体制作りで問題点の抽出と計画立案をする
3)セルフケア研修で女性に気づきを与える
4)男性社員へのヘルスリテラシー向上で組織が変わる
5)家族の健康への視野が生産性向上につながる


1)経営層への巻き込みが推進のポイント
女性の健康に理解を示さない(または関心が乏しい)日本の企業はまだまだ多いです。
これはまさに、企業の男性管理職の割合がまだ大多数で、歴史的にも女性に対して考えるだけの材料が自社にない企業がほとんどだからだと思われます。
時代も変わり、まさに変革の時。
経営層が、自社の「女性」に対して何が出来るか、何をしなくてはいけないのかを考えていかないと会社は変わりません。
経営層の明確な宣言が、実は優秀な人材の獲得や、定着率を増すという結果につながることは明白です。


2)体制作りで問題点の抽出と計画立案をする
次に大切なことは、大塚製薬のように「女性の健康」に対して向き合える組織体制づくりです。
実際に今自分たちの会社で起きている「女性」に関する問題は何があるのか?もしかしたら、先ほどの「採用」や「離職」という問題もあるかもしれませんし、ワークライフバランスの崩れから、メンタル不調を起こしている人、肩こりや腰痛などの身体の不調を起こしている人などがいるかもしれません。
先ほども申し上げた経営層だけ、男性社員だけで分からない「女性ならではの課題」が企業には存在しております。
しっかりした体制をまずは組み、自社の女性と向き合っていただくことをお勧めいたします。


3)セルフケア研修で女性に気づきを与える
健康経営の中で「健康」の研修実施企業は増えていますが、女性の健康に対しての研修はその中でも期待値を上回る人気の取り組みです。
自身の健康に対して、一人で悩んでいる女性が多い中、女性にとっても「知らない情報」が多く、日常の中ですぐに活用できる要素が多いことが人気の理由です。
例えば、「女性ホルモン」「顔面骨密度」「更年期症状」「PMS」「乳がん」「子宮頸がん」「女性に必要な栄養素」
将来の健康に対しての投資だけではなく、日常の生活への改善にも繋がると伝えることで、気付きが与えられ日々の行動へ直結いたします。


4)男性社員へのヘルスリテラシー向上で組織が変わる
女性の生理/女性のホルモンに関して、男性からすると触れてはいけない、タブー視をされてきた過去。
ただ、組織の中で男性社員がその知識を持ち合わせることにより、大きな効果を生み出します。


健康プラスでは、ヘルスリテラシーの定義を3つのスキルに分解をしております。


・正しい健康情報を「収集するスキル」
・自分に合った健康情報を「選択するスキル」
・選択した情報を自分の日常生活の中で「活用するスキル」


男性がPMS(月経前症候群)の知識を知らないで、生理休暇という制度だけが存在していて良いのでしょうか?
男性が更年期の知識を知らないで、管理職として50代の女性と正しく接せることができますでしょうか?
実は、女性向けにセルフケア研修を実施するだけではなく、男性に対して正しいヘルスリテラシー向上を促す仕組みづくりこそが、会社全体で女性の健康を進めることに繋がります。


5)家族の健康への視野が生産性向上につながる
最後に挙げられることが、「家族の健康」というキーワードです。
これは、4)に挙げられた男性のヘルスリテラシーにも関係することですが。
企業で働く人の多くは、「働く」ということと「家族」が密接に関わっております。
両親、夫婦、子供。
実は、女性の健康を考える取り組みをする企業は、同時に家族の健康に対してもアプローチをしていることになります。
家族が幸せで、関係性が良かったとすれば、仕事にも好影響を与えます。まさに一人ひとりの従業員が、女性の健康という視点だけではなく、家族の健康という視点を広げて考えることにより、自分自身の生産性、そして組織・会社の生産性向上に繋がっていくのではないでしょうか。


皆様、いかがだったでしょうか?
大塚製薬では、今日も『世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する』という理念のもと、女性の健康に対して世の中と向き合っています。
是非、コラムを読んで、少しでも「女性の健康」に対してご興味をもたれた会社がいらっしゃったら、大塚製薬の取り組みを参考に自社でも推進を初めていただければと思います。
もし行き詰ったら、下記にお問い合わせいただければ、きっと課題解決していただけると思います。


皆様の会社が、少しでも健康に。
従業員が幸せでイキイキ働けますように。


【お問い合わせ先】
大塚製薬株式会社
連絡先:https://www.otsuka.co.jp/contacts/(大塚製薬HPのお問合せ欄よりご連絡ください。)


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