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Yahoo! JAPAN 就業規則に盛り込む「健康経営」への想い

2019/05/14

株式会社シーピーユー
健康プラス編集部 健康プラス編集部

ヤフーの様々な働き方を取材させていただきました。皆様の会社の中でヒントになるであろう「就業規則」の話は必読です!

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就業規則にまで踏み込む「健康経営」

健康経営銘柄2019に初認定を受けたヤフー株式会社(以降、ヤフー)。


以前、ヤフーの健康経営の特徴のひとつとして
「コンディション」というキーワードを挙げさせていただきました。
様々な健康経営の企業を取材させていただいてきた、健康プラスとしてもヤフーの健康経営銘柄の認定は「取るべくして取った」と言える企業です。


今回は、そのヤフーの働き方、そして就業規則にまで踏み込んで
多様な働き方の実態のお話をお伺いできましたので、共有させていただこうと思います。


そもそも、就業規則とはなんでしょうか?
「社内のルールブック」であり、「従業員との契約書」とも表現している人もいらっしゃいます。
当然、入社をする従業員の方は、目を通しているものです。
雇用の場合は、使用者が労働者に対して労働条件を提示し、労働者側が提示された労働契約内容に合意したことを受けて報酬額を決定し通知することで契約が成立することになります。


いわば、従業員側にとっても、会社側にとっても最も重要なルールのひとつです。
ヤフーはその就業規則の中で「健康経営」という言葉を使って従業員との契約を遂行しております。


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『ヤフーの就業規則×健康経営』の考察ポイント

ヤフーの健康経営ご担当者にお話を聞かせていただき、健康プラスで他企業でもヒントになるようなポイントを挙げさせていただきました。


1)経営視点
まず、就業規則の中での健康経営というものが「経営」もしくは「理念」という言葉をもって表現されていること。
まさに、このことが現場だけでなく、経営層を巻き込んでの取り組みであることが一目瞭然です。なぜならば、就業規則の改定には、当然代表取締役や取締役会などの、就業規則の変更権限を持つ人の決済を受ける必要があるからです。;


2)オリジナル表現
健康経営は、言葉だけで表現され、実態が無いようではいけません。。
その企業ならではの、そして社風に沿った形で語られたほうが、社内への浸透もスピードが増し、従業員の理解度も高くなります。
ヤフーでは、就業規則にもあるように、健康経営という言葉を社内で表現する際に、「コンディション」と「パフォーマンス」という言葉を活用しているのですが、このような会社ならではのオリジナル表現を繰り返し使うことにより、従業員への浸透スピードが増すことになります。


3)相互の責務
もっとも特徴的なことが、就業規則に現れております。
それが、「会社の責務」と「従業員の責務」です。
健康経営の施策は、法律的に実施しないといけないことなのでしょうか?
運動会の実施、栄養バランスの研修、ウォーキングキャンペーン。様々な施策を企業は実施しておりますが、法律的に実施しないといけないわけではございません。


ヤフーの特徴的なことは、この就業規則で表現される、会社にも従業員も「健康」という領域には「責務」が発生するという言葉です。


責務とは、文字通り「義務を果たすべき責任」という意味ですが、会社からの一方的な責務だけでなく、従業員にもその責務を全うしていただくことを就業規則で表現しております。


実は、ここに健康経営の本質が隠されていると健康プラスでは感じます。
企業からの一方通行の健康経営(『押しつけ健康経営』)ではなく、従業員側も「会社視点」で健康を意識し、責務として感じていただくことが重要で、まさに銘柄としての世の中を牽引する表現方法ではないかと感じております。


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ヤフーが提唱する「様々な働き方:UPDATE働き方」

ヤフーの健康経営理念でもある
「働く人の最高のコンディションが、働く人の最大のパフォーマンスにつながり、働く人とその家族の幸せにつながる」という考え方。
それは、様々な働き方の「制度」としても従業員に機会提供をしています。


今回、ヤフーの働き方として6つの制度をご紹介いただきましたのでご紹介をさせていただきます。


1、フリーアドレス制度
東京本社の約6000人を対象にして実施しているフリーアドレス制度。
社員食堂を含めて、どこでもコミュニケーションが生まれるような空間を会社が用意している。このフリーアドレス制度が、ヤフーの様々なイノベーションを創造していることは間違いありません。


2、コワーキングスペース「LODGE]
東京赤坂にあるヤフーの新オフィス。
その中でも特徴的な空間が「LODGE(ロッジ)」です。
社内外の交流を促すことを目的に作られたスペース。なんと、社内の方も無料で利用することが可能とのこと。
年間で500回以上のイベントを実施し、ヤフーの言葉をお借りすると、「情報の交差点」を
生み出しているようです。この様々なイベント実施も、ヤフーのイノベーション創造に寄与していることも容易に想像できます。



3、どこでもオフィス
時間や場所にとらわれず、月5日までは自由に働ける制度。
育児や介護の負担軽減も視野に入れているだけでなく、通勤によるストレス軽減や業務効率改善にも寄与しているようです。少子高齢化の日本では、生産力人口減少への対応や介護・育児などのライフステージに合わせた柔軟な働き方がより重要になってきます。その中で、「どこでもオフィス」のような生産性を上げる効果的な働き方がヤフーから発信され、日本の働き方改革にも影響をしていくことを望みます。



4、新幹線通勤
なんと、月15万円までは会社で補助をしてくれる制度。
越後湯沢や軽井沢等から新幹線で都内まで通勤をしている従業員も中にはいるようです。
これは、従業員が「住む場所」により制約をうけずに、選択肢を増やすことを目的としているようです。


5、サバティカル休暇
自分のキャリアを見つめなおす機会として、従業員に幅広く推奨している休暇のことを指しているようです。
勤続10年以上の社員は、最長3カ月間の連続休暇を取得することができ、その使途に制限はないとのこと。
有給消化率も年々向上しており、現在78.3%まで上がってきているようです。


6、課題解決休暇
社会課題と向き合うヤフーならではの休暇。
従業員には、仕事以外の時間でも、ボランティア活動を通じて誰かの課題解決を行って社会に貢献してほしいという会社側の考えから始まった制度のようです。
多くのボランティア活動は、休日にあるため、休日参加の場合は平日に休暇振替も可能。
この休暇制度を使い、災害復興やごみ拾い、老人ホームや国際活動などでのボランティアを行っている従業員も年々増えているとのこと。



いいかがだったでしょうか?
健康経営銘柄を取得した様々なヤフーの活動。
就業規則の書き方、そして企業オリジナル(社風が現れる)制度設計。
どれをとっても、ヤフーで働いてみたい!と思うような素敵なものですね。
是非、参考にしてみてはいかがでしょうか??


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