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生産性向上により長時間労働を削減 パーソルキャリア株式会社(旧社名:株式会社インテリジェンス)

2017/08/09

株式会社シーピーユー
健康プラス編集部 健康プラス編集部

パーソルキャリア。人財の会社として健康経営はどう捉えているのか?何をしているのか、インタビューで迫る。

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いまもむかしも働くことが 好きな人が集まる会社

パーソルキャリア株式会社(旧社名:株式会社インテリジェンス)は、総合人材サービスのパーソルグループのリクルーティング事業を担う企業の中核として、躍進を続けている企業である。


今回は、パーソルホールディングス株式会社(旧社名:テンプホールディングス株式会社)人事企画部はたらく環境室室長 鈴木光太郎様に、かつて時間を気にせず働く社員が多かったインテリジェンス時代の労働環境改善の歩みをお聴きした。


—かつてのパーソルキャリアはどのような会社だったのですか


「当時はインテリジェンスという社名でしたが、昔から当社はフラットで風通しの良い社風で、社員一人ひとりの思いと志を大事にし、仕事を通じて成長を志向する会社でした。仕事が好きな人が集まっている会社という印象ですね。
それはそれで素晴らしいことなのですが、長時間労働という問題も同時に顕在化してきており、ある時期から会社としてのリスクとして捉えられていました」


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インテリジェンス時代の改善スタート

—いつから積極的に改善が始まったのですか


「長時間労働については、退職者からのインタビューや、社内で継続的に実施している社員意識調査を通じて、人事として解決すべき課題と認識されておりました。そういった中で、2010年にトップとの合意のもと、労働時間の削減を一気に行いました。現在も会社として、社員の健康を明確に意識して、労働時間の抑制とサービス残業の撲滅を目指しています」


掛け声で終わらせない。 それがパーソルキャリア流


労働環境の改善は掛け声倒れに終わるという話もよく聞く。
トップダウンといえど、現場の意見が反映されていない施策は浸透しない可能性が高い。
いったいどのような施策をどのように導入したのだろうか。


—どのような取り組みから始めたのですか


「まずはPCの22時強制シャットダウンです。パーソルキャリアでは達成志向が強く、仕事を通じてやりがいを見出す社員が多いため、どうしても長時間労働になりやすい傾向があります。そこで、タイムマネジメント意識を養うための分かり易い取り組みとして、物理的に制約をかけるシャットダウン施策が有効ではないかと考えました。最長で22時になると問答無用でPCがシャットダウンします。事業部によってはもっと早い時間に設定しているところもあります。事前にアラートメッセージが出た後にPCがシャットダウンするのですが、仕事に集中していると、データを保存せずにシャットダウン時間を迎えてしまうケースもあります。そうなると、もう大変なことになります。正直私も泣かされたことがあります(笑)」


—それは大変ですね(笑)。
すんなりと導入できたのですか


「もちろん最初は抵抗感を抱く社員もおりました。働くことにやりがいを感じる社員が多いので、そもそも長時間労働自体に疑問を抱かない社員が一定数存在していました。また、当時の社員からすれば、業績目標は変わらないにもかかわらず、働く時間が短くなったという捉え方もありました」


—たしかにそうですね。


「そこでこの施策に合わせ、業務スキルと生産性向上を目的としたPEP研修という教育を同時に導入しました。これは仕事の進め方といったビジネスの基本から、メールの整理術など細かなテクニックまで盛り込んだもので、メンバーのスキルアップにより、生産性向上を果たし、労働時間を短縮しようというものです」


—素晴らしい研修ですね


「ありがとうございます。それだけではなく、PCの起動時間のログも記録し、より正確に労働時間の確認をするようにしています。36協定の遵守がマネジメント層の評価に影響する制度にしていますので、メンバーを無理に働かせることもできませんし、効率的に仕事を行うためには役割分担などマネジメントスキルを磨かなければなりませんので、彼らのスキルアップにもつながっていると思います。こうした施策の甲斐があって、先述の社員意識調査において、長時間労働に関するネガティブ回答率が大幅に減少するといった成果が出ています」


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法令順守は当然。やるとなったら徹底的に実施。

法令遵守は当然 社員のことを徹底的に考えます


やるとなったらとことんまでやるパーソルキャリア。
社員の健康診断も徹底的に行っているとのこと。
「当社は健康診断の受診を推奨するだけでなく、事後措置も徹底して行っています。会社からのリマインドを繰り返し行うほかに、産業医の方からも連絡して頂いていますので、有所見者に対する事後措置はほぼ100%となっています」


—最近なにかと話題となるメンタルヘルスについてはいかがでしょうか


「昨年より一定規模以上の事業場で実施が義務付されたストレスチェックの実施は当然のことですが、その他にも産業医と現場の間で密接な関係を築き、早期に不調者を面談に繋げる体制を構築しています。社員が不調であることを会社が把握してから、専門医に診てもらう期間が1週間を越えると復職率に大きく影響しますので、できるだけ早期に面談に繋げています。当社の早期復職率の高さは特徴的だと思います」


—有給休暇の取得も積極的に奨励されていると聞きました


「はい。当社は社長も含め管理職層が積極的に長期休暇を取得するようにしています。やはり上の人間が休暇を取らなければ現場も休みにくいだろうという意見が会議で出まして、方針として行っています」


—制度としてはどのようなものがありますか


「ブランクウイークとスマートチャージという有給休暇の取得を推奨する仕組みが存在します。ブランクウイークは年に一度3日間連続で有給休暇を推奨する仕組みで、スマートチャージは4半期に一度1日の有給休暇を奨励する仕組みです。3連休などにプラスして利用する社員も多いですね」


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パーソルキャリアの今後の目標

ー最後に、今後の目標を教えてください


「先ほど申し上げましたように、当社は多岐にわたる設問を有した社員意識調査を継続して行っています。そこで出た問題や課題は経営会議から部・課までおろし、きっちり議論するようになっています。そこで出た結論に基づき、部や課における取組方針を打ち出し、社員満足度の向上を追求しています。今後も社員の意見を取り入れながら、残業に依拠しない評価制度の確立と、仕事とプライベートと休息のバランスがとれたはたらく環境を作っていきたいと思っています」


今後も加速するであろうパーソルキャリアの健康経営の促進から目が離せません。


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