
「ここがすごい!DeNA流健康経営」
2018/07/24従業員の特性を知り、従業員の強みを活かした健康経営施策
INDEX
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ここがすごい!DeNA流健康経営
今回のインタビューは「CHO室」の設置でも有名な株式会社ディー・エヌ・エー( 以下DeNA)にお伺いしてきました。
お話を伺ったのは、CHO(Chief Health Officer)室の植田様
DeNAのCHO室では、ビジネスのプロフェッショナルとして仕事で最大限のパフォーマンスを発揮するためには従業員の健康が大切であると考え、様々な健康経営の施策を実施しているが、その進め方は、トップダウン型の健康経営も多い中、ボトムアップのスタンスが大きな特徴のひとつ。
様々なメディアでもDeNAの取り組みは露出されているが今回は筆者が、DeNAの施策の中ですごい!と感じたことをお伝えしていきたいと思います。
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ここがすごい!DeNA流健康経営その1)ウェルメシプロジェクトへのこだわりと人気がすごい!
「食事が変わればカラダは変わる」をテーマに、自分に合った食生活を見つける企画。
この取り組みは、以前より社員から寄せられていた社内販売のお弁当の改善要望をきっかけに、総務部とCHO室が共同で始めたもの。
一般的なお弁当の中には、保存料・化学調味料が使われていることもある。
そんな中、DeNAではお弁当デリバリー業者の選定にもコダワリをみせる。
まずは、管理栄養士の方の監修を受け、社内でデリバリー業者選定の判断基準にもなる全33個(必須9・必須推奨および推奨24)の「ウェルメシガイドライン」を定めた。
例えば、
1)化学調味料の不使用
2)保存料の不使用
3)トランス脂肪酸の不使用
従業員を大切にするDeNAだからこそ、健康づくりに重要な食事にコダワリを見せている。
その中から選ばれたのが、
渋谷区神南にある
「good juice Terre Table http://www.goodjuice.jp/」
と
神泉にあるサラダボウル専門店「SALAD https://www.salad.co.jp/」の2店舗。
いずれも導入の際には、食の重要性の浸透のために社内向け研修もしていただいている。
ウェルメシプロジェクトは、始まった当初の弁当デリバリーの枠を超えてさらに広がっていきます。
購入者アンケートのコメントや社員を交えての新商品試食会からヒントを得て新たなメニューが生まれたり、 2018年には「SALAD(サラド)」と道玄坂の「fabcafe」とのコラボによる、オリジナルサラダづくりのワークショップからも、DeNA社員考案の「ウェルメシ弁当」メニューが商品化。
そこから生まれた商品が【漢(オトコ)の旨辛サラダ】
その試食会の様子は、DeNAのCSR活動ブログでも詳細が記載されております。
https://csr.dena.com/blog/003616
楽しみながら、この取り組みが進んでいったことが、このブログからもよく見てとれます。
ウェルメシプロジェクトをきっかけにDeNA社内でサラダボウル人気が高まり、今ではDeNAの社内カフェからも「サラダボウル」が販売され、その人気から、口コミが広がり販売開始から1時間以内に売り切れが出る日もあるほどのようです。 DeNAの食に対する健康促進に対する取り組みは、サラダボウルへのコダワリと共にあると言っても過言ではないでしょう。 試食会を経て、実際に渋谷で販売されている商
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ここがすごい!DeNA流健康経営その2)CHO室の社内巻き込み力がすごい!
現在、DeNAのCHO室は少人数で健康の取り組みをしているようですが客観的に見て、すごい!と思ったポイントは、社内の従業員の巻き込み方です。
健康経営の認定を人事部や総務部が中心となって取得しても、社員に認知が広がらないなんて声も他社ではある中、CHO室では組織での浸透を、様々な企画で従業員を巻き込みながら実施していらっしゃいました。
その一つが、社内ポスター。 健康促進として必要な
・階段使って痩せやすいカラダに!
・朝食で 腸内環境を整え 脳を活性化
・PCモニタは目線の高さに!
などのポスターを自社のデザイナーがオリジナルで作成。
社内のいたるところに掲示をしていらっしゃいます。
掲示場所にもこだわりがあり、例えば、階段の踊り場、お手洗い等。
日常の目につくところに貼ることにより、健康意識を自然に高めることができるとのことで、ポスターの社内掲示は健康意識を高めるのに非常に有効な施策のようです。
このポスター、デザインもさることながら、文字数、掲示場所などもCHO室以外の様々な部署の方々にアドバイスや協力をしてもらいながら、健康の施策が生み出されているとのこと。
ちなみに、このポスターキャラクターは、LINEスタンプにもなっているようです。
https://store.line.me/stickershop/product/1348619/ja
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ここがすごい!DeNA流健康経営その3)改善PDCAの社風が既にある!
ゲーム事業などで、BtoCのビジネスに取り組む従業員が多いDeNAでは まさに業務で下記のようなことを考えるシーンが多くあるようです。
【BtoCビジネス担当者が考えること】
・どうやったら、目に止めてもらえるか?
・どうやったら、行動をしてもらえるか?
・どうやったら、楽しんでもらえるか?
・どうやったら、続けてもらえるか?
・どうやったら、他の友達を巻き込んでもらえるか?
・どうやったら、もっと効果的に伝えられるか。
業務で上記のようなことを常に考えているプロ集団DeNA お互いのサービスの良さや改善点を言い合える環境と社風が組織の中にあるとのことです。
CHO室の施策は単なる健康経営の見た目を調えるだけでなく生産性向上にも役立つと従業員の方が腹落ちをしており施策ひとつひとつに、各部署から様々な声をもらい効率化を図っているようです。
『この前の〇〇の取り組み、すごい楽しかったです』 はもちろんのこと、
『〇〇の取り組みは、△△のように伝えたらもっと良かったかもしれません』
『◆◆のような取り組みがあると、もっと多くの人が参加するかもしれません』
『×××とコラボをして取り組みをしてみませんか?』
そんな声がCHO室には届くようです。 従業員一人一人がCHO室の取り組みに関心を持ち施策のPDCAを回していることから、まさに社員全員がCHO室のようなイメージなのでしょうか。
また、CHO室はDeNAから渋谷、全国へ健康の輪を広げていくことを今後の展望・目指す未来に掲げています。
2016年にCHO室の平井室長代理が、経産省採択事業として『渋谷ウェルネスシティ コンソーシアム』の立ち上げを推進したのもそのひとつ。 このコンソーシアムを通して渋谷で働く人々の健康増進や生産性向上に向けた取り組みを積極的にリードしています。
今後、企業をまたいだワークショップやイベントを実施していく予定のようです。
健康経営に取り組む企業の中には、「健康経営と生産性向上
ただ、DeNAのCHO室からお話を伺うと、「生産性向上につながる取組をいかに楽しく社員を巻き込むかということを常に念頭に置いて施策アイディアを出している」ことが良く伝わりました。
今後のDeNAの社内外の取り組み、注目していきましょう。

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